大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
「で、痛かった?」

本日分の治療が終わって最後に口を濯ぎ終えた由香里に木崎がおもむろに訪ねてきた。

「……全然、痛くありませんでした。」

痛くなかったのだから喜ぶべきことなのに、木崎の言った通りになった事が由香里は妙に悔しい。

「だから俺を信じろと言った。」

木崎は顔を覆っていたマスクを取るとそう言ってふわりと笑った。
マスクを取った木崎を正面から見つめて由香里は確信した。

「これで性格が悪くなければ最高なのに……。」

顔は好み、はっきり言って大好き。
でも性格がひどすぎる。
なんて残念なんだろう。

「最近の技術は無痛の治療に近い。兎に角怖がらなければ大丈夫だから……。」

先程の失礼な発言をあっさりと無視して木崎は治療の説明を始める。

由香里はやっぱり好みだな、と考えながらじっと木崎先生の説明を聞いていた。
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