大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
思わず声をかけると、男がゆっくり振り向いた。
「……志水さん。」
明らかに高級そうな上着の下はシャツというラフな格好、ダメージジーンズを穿くその脚はほっそりとして妙な男の色気を感じさせる。
―――――――やっぱり、かっこいいかも…。
由香里は無意識に手元の洋服の入った袋を強く握りしめた。
「こんなところで会うなんて偶然ですね。ご旅行ですか?」
由香里はドキドキする心臓をなんとか抑え込んで平静を装って挨拶をする。
木崎の手元には何冊かの旅行のパンフレットが握られていた。全部、海外のものだ。
彼女との旅行だろうか?
「友人に頼まれたんですよ、パンフレットを貰ってきてくれって。」
そう言って木崎は持っていたパンフレットを手持ちのかばんに無造作に入れてしまう。
「とか言って、実は彼女との旅行なんじゃないですか?」
かばんにしまう時に見えたパンフレットが明らかに女性を意識したパックツアーのものだったのを由香里は見逃さなかった。
昨日いじめられた仕返しにと由香里はちょっと意地悪く聞いてみた。
木崎は目を大きく見開いたかと思うとニヤっと口角を上げて目を細めた。
「そんなに、俺が気になるの?」
そして、木崎は由香里に近づくとそっと屈んで彼女の耳元で囁く。
「昨日あんなにやさしくしてあげたのに、意地悪な子だね。」
あまりの発言に由香里は一瞬にして頭の中が真っ白になり、口を大きく開けたまま動けない。
眼の前では由香里から離れた木崎がクックッと声を殺して笑っていた。
「……志水さん。」
明らかに高級そうな上着の下はシャツというラフな格好、ダメージジーンズを穿くその脚はほっそりとして妙な男の色気を感じさせる。
―――――――やっぱり、かっこいいかも…。
由香里は無意識に手元の洋服の入った袋を強く握りしめた。
「こんなところで会うなんて偶然ですね。ご旅行ですか?」
由香里はドキドキする心臓をなんとか抑え込んで平静を装って挨拶をする。
木崎の手元には何冊かの旅行のパンフレットが握られていた。全部、海外のものだ。
彼女との旅行だろうか?
「友人に頼まれたんですよ、パンフレットを貰ってきてくれって。」
そう言って木崎は持っていたパンフレットを手持ちのかばんに無造作に入れてしまう。
「とか言って、実は彼女との旅行なんじゃないですか?」
かばんにしまう時に見えたパンフレットが明らかに女性を意識したパックツアーのものだったのを由香里は見逃さなかった。
昨日いじめられた仕返しにと由香里はちょっと意地悪く聞いてみた。
木崎は目を大きく見開いたかと思うとニヤっと口角を上げて目を細めた。
「そんなに、俺が気になるの?」
そして、木崎は由香里に近づくとそっと屈んで彼女の耳元で囁く。
「昨日あんなにやさしくしてあげたのに、意地悪な子だね。」
あまりの発言に由香里は一瞬にして頭の中が真っ白になり、口を大きく開けたまま動けない。
眼の前では由香里から離れた木崎がクックッと声を殺して笑っていた。