大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
翌朝。
由香里は今度こそはといつもより3本早い電車に乗って出勤した。
鈴木に関しては流石に張り合っても無理だと学んだ由香里だが、社長の西園寺にまで遅れて出社するわけにはいかないからだ。
時計を見ればまだ8時30分。
幾らなんでもいないはず…。
由香里はまず鈴木のいる部屋のドアを開けた。
「あれ、由香里ちゃん早いね。」
案の定、鈴木はもう出社していた。
あわよくば鈴木にも勝てるのでは、と思っていた由香里は朝からドアにもたれかかってガックリとうなだれる。
「本部長はこんなに朝早く会社に来なくたっていいと思いますよ……。」
「だって、遅く来たら由香里ちゃんとお話しできないじゃん。」
「じゃん、て……。」
私が営業部に配属される前から誰よりも早く出勤しているくせに…。
笑顔全開で適当なことを言う鈴木に由香里は何も言えない。
「ところで何時になったら『鈴木本部長』が、取れるのかな?業務外の時は誠で
いいって言ったでしょ。」
またしても無理難題を言われてしまった。
なぜか鈴木のお気に入りのオモチャにされている由香里はすっかり仲良くなった証に『誠』と名前で呼んでほしいと言われ続けているのだ。
もちろん由香里はやんわり拒否している。
「そろそろ、言ってもらわないとね。」
鈴木がにっこり笑う。
絶対、人を苛めて楽しんでいるのだ、この人は。
由香里は若干怒りを覚えながらもゆっくりと口を開いた。
「鈴木さん。」
「誠。」
すかさず鈴木の訂正が入る。
「………誠……さん。」
これが由香里の限界だ。
「良く言えました。」
鈴木はご褒美とばかりに由香里の頭を撫で撫でしている。
朝から自分みたいな人間を苛めていったい何が楽しいんだろ……。
由香里は鈴木に見えないようにそっと溜息をついた。
由香里は今度こそはといつもより3本早い電車に乗って出勤した。
鈴木に関しては流石に張り合っても無理だと学んだ由香里だが、社長の西園寺にまで遅れて出社するわけにはいかないからだ。
時計を見ればまだ8時30分。
幾らなんでもいないはず…。
由香里はまず鈴木のいる部屋のドアを開けた。
「あれ、由香里ちゃん早いね。」
案の定、鈴木はもう出社していた。
あわよくば鈴木にも勝てるのでは、と思っていた由香里は朝からドアにもたれかかってガックリとうなだれる。
「本部長はこんなに朝早く会社に来なくたっていいと思いますよ……。」
「だって、遅く来たら由香里ちゃんとお話しできないじゃん。」
「じゃん、て……。」
私が営業部に配属される前から誰よりも早く出勤しているくせに…。
笑顔全開で適当なことを言う鈴木に由香里は何も言えない。
「ところで何時になったら『鈴木本部長』が、取れるのかな?業務外の時は誠で
いいって言ったでしょ。」
またしても無理難題を言われてしまった。
なぜか鈴木のお気に入りのオモチャにされている由香里はすっかり仲良くなった証に『誠』と名前で呼んでほしいと言われ続けているのだ。
もちろん由香里はやんわり拒否している。
「そろそろ、言ってもらわないとね。」
鈴木がにっこり笑う。
絶対、人を苛めて楽しんでいるのだ、この人は。
由香里は若干怒りを覚えながらもゆっくりと口を開いた。
「鈴木さん。」
「誠。」
すかさず鈴木の訂正が入る。
「………誠……さん。」
これが由香里の限界だ。
「良く言えました。」
鈴木はご褒美とばかりに由香里の頭を撫で撫でしている。
朝から自分みたいな人間を苛めていったい何が楽しいんだろ……。
由香里は鈴木に見えないようにそっと溜息をついた。