大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
「JOSの斉木社長……ですか?」
由香里は慌てて皿を近くのテーブルに置くと両手で名刺を受取り手の中にある上質の紙片に書かれた小さな文字を再度見つめた。
『株式会社JOS 代表取締役 斉木雄介』
全国に店舗を構える有名旅行代理店でカウンターでの接客が主の会社だ。
最近はパックツアーにも力を入れてきていると聞いている。
また、最近就任した若い社長が手腕をふるっていつことでも有名だった。
由香里がこの間の休日に見に行ったショッピングモールのサロン形式の店舗もこの社長の発案らしい。
自分とさほど変わらない見た目の男がそんなすごい人物なのだろうか。
「名刺をいただけませんか?」
斉木の名刺を持ったまま固まってしまった由香里に不機嫌な顔を一切せず、彼はやんわりと促した。
「は、あ…すいません。」
由香里はバッグから自分の名刺を取り出し、恥ずかしそうに斉木の前に差し出した。
「ポップカルチャーの志水由香里と申します。」
「かわいらしいお名前だ。」
斉木は由香里の名刺を手に取るとポケットから取り出した名刺入れにそっとしまう。
「あの……弊社の西園寺とお話しがあるのでしたら呼んできますが…。」
当たり前だがJOSの社長が自分に用があるはずがない。
由香里は視線で会場内にいる西園寺を捜す。
「西園寺社長の事は結構です。私は、貴方とお話したいと言っているんですが?」
「……えっ……。」
由香里は思わず頭一つ分は高い所にある斉木の顔を見上げた。
気がついた時には由香里の両側は彼の腕に挟まれていた。
壁を背にしていた彼女は斉木の腕に阻まれて身動きが出来ない。
「お人形のようにかわいらしい女性が登場したかと思えば隣に西園寺社長がいたので驚きましたよ。今、彼には決まった女性はいないはずなんですが新しい恋人ですか?」
「ち、違います。今は社内で西園寺社長の補佐をしているだけで……。」
「では、私とお付き合いをしてもいいわけですね。」
「じょ、冗談……。」
由香里は何とかこの場から逃げ出そうと必死に考える。
そうこうしているうちに何故か斉木の顔がだんだん近づいて来てしまう。
「とりあえずお近づきの印ということで……。」
由香里は思わず目を瞑る。
彼の顔がさらに近づいてくるのが気配で分かった。
「…………。」
「うちの社員に何をしている?」
由香里は慌てて皿を近くのテーブルに置くと両手で名刺を受取り手の中にある上質の紙片に書かれた小さな文字を再度見つめた。
『株式会社JOS 代表取締役 斉木雄介』
全国に店舗を構える有名旅行代理店でカウンターでの接客が主の会社だ。
最近はパックツアーにも力を入れてきていると聞いている。
また、最近就任した若い社長が手腕をふるっていつことでも有名だった。
由香里がこの間の休日に見に行ったショッピングモールのサロン形式の店舗もこの社長の発案らしい。
自分とさほど変わらない見た目の男がそんなすごい人物なのだろうか。
「名刺をいただけませんか?」
斉木の名刺を持ったまま固まってしまった由香里に不機嫌な顔を一切せず、彼はやんわりと促した。
「は、あ…すいません。」
由香里はバッグから自分の名刺を取り出し、恥ずかしそうに斉木の前に差し出した。
「ポップカルチャーの志水由香里と申します。」
「かわいらしいお名前だ。」
斉木は由香里の名刺を手に取るとポケットから取り出した名刺入れにそっとしまう。
「あの……弊社の西園寺とお話しがあるのでしたら呼んできますが…。」
当たり前だがJOSの社長が自分に用があるはずがない。
由香里は視線で会場内にいる西園寺を捜す。
「西園寺社長の事は結構です。私は、貴方とお話したいと言っているんですが?」
「……えっ……。」
由香里は思わず頭一つ分は高い所にある斉木の顔を見上げた。
気がついた時には由香里の両側は彼の腕に挟まれていた。
壁を背にしていた彼女は斉木の腕に阻まれて身動きが出来ない。
「お人形のようにかわいらしい女性が登場したかと思えば隣に西園寺社長がいたので驚きましたよ。今、彼には決まった女性はいないはずなんですが新しい恋人ですか?」
「ち、違います。今は社内で西園寺社長の補佐をしているだけで……。」
「では、私とお付き合いをしてもいいわけですね。」
「じょ、冗談……。」
由香里は何とかこの場から逃げ出そうと必死に考える。
そうこうしているうちに何故か斉木の顔がだんだん近づいて来てしまう。
「とりあえずお近づきの印ということで……。」
由香里は思わず目を瞑る。
彼の顔がさらに近づいてくるのが気配で分かった。
「…………。」
「うちの社員に何をしている?」