大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
仰向けのままの状態はそのままに涙を流している由香里に木崎はそっと近づく。
ぴくんっと由香里の体が跳ねた。
「もう、何も持っていません。そばに行きますよ」
木崎の優しい声に緊張していた由香里の体が一気に緩んだ。
「とりあえず起こしますから。」
ゆっくり診察台が向きを変えていく。
起き上った由香里の眼がしらにそっと布が当てられた。
「せんせ……それ、さっきの……ハンカチ……駄目…汚れ……。」
「手近にあった綺麗な布がこれだったんです。」
由香里はハンカチを返すとまだ、涙が止まらない顔を上げて木崎を見る。
先程と変わらずマスクはしているものの由香里に向けられるまなざしはとても柔らかかった。
見たかった顔が見れて思わず由香里の顔も泣き笑いになる。
目尻をつたって涙がこぼれていく。
チッ、っと舌打ちが聞こえた。
「まったく……とりあえずここで泣きなさい。」
由香里は木崎に強引に引き寄せられ、そのまま彼の胸の前に顔を押し付ける格好になった。
消毒の臭いとともに木崎の体温が感じられる。
ぎゅっと抱きしめられて由香里は声を殺して泣いたのだった。
ぴくんっと由香里の体が跳ねた。
「もう、何も持っていません。そばに行きますよ」
木崎の優しい声に緊張していた由香里の体が一気に緩んだ。
「とりあえず起こしますから。」
ゆっくり診察台が向きを変えていく。
起き上った由香里の眼がしらにそっと布が当てられた。
「せんせ……それ、さっきの……ハンカチ……駄目…汚れ……。」
「手近にあった綺麗な布がこれだったんです。」
由香里はハンカチを返すとまだ、涙が止まらない顔を上げて木崎を見る。
先程と変わらずマスクはしているものの由香里に向けられるまなざしはとても柔らかかった。
見たかった顔が見れて思わず由香里の顔も泣き笑いになる。
目尻をつたって涙がこぼれていく。
チッ、っと舌打ちが聞こえた。
「まったく……とりあえずここで泣きなさい。」
由香里は木崎に強引に引き寄せられ、そのまま彼の胸の前に顔を押し付ける格好になった。
消毒の臭いとともに木崎の体温が感じられる。
ぎゅっと抱きしめられて由香里は声を殺して泣いたのだった。