大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
ホテル内のショップに連れてこられた由香里の目の前には、既に木崎が頼んであったドレスが用意されていた。

薄い若草色のひざ丈のお洒落なドレス。

試着してみるとサイズもぴったりだった。

「かわいい……。」

前回のパーティーの時の物よりは豪華さに欠けるが、食事に行くレストラン程度の場所には十分だった。

何より背の低い由香里の魅力を十分引き立たせている。

「良くサイズ……わかりましたね。」

自分が服を探すときにも苦労するのに、こんなピッタリなものが用意されたことに彼女はかなり驚いていた。

「先日の忘れ物の時に、サイズは見せてもらいましたから。」

木崎はフィッティングルームから出てきた由香里の足もとに同じ色のパンプスを差し出す。

「後は、あれだけ抱きつかれたら流石に想像できました。」

彼は靴に手をかけたまま由香里を見上げ、にっこりほほ笑んだ。

由香里の顔がほんのりと赤くなる。

「では、そろそろ時間ですから行きましょうか？」

自分に差し出されたその手を、由香里はそっと握った。
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