大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
2人の唇はどちらともなくかさなり合った。
甘い痺れとともに、心に小さな罪悪感が生まれる。
由香里は知らず、泣き出していた。
「ど、どうかしましたか?」
突然涙を流し始めた由香里を前に木崎は普段の余裕の表情を崩して慌てている。
「ご、ごめんなさい。」
由香里は涙を手で拭うと木崎にぺこりと頭を下げた。
「私、好きな人がいるんです。……つい今まではそれが先生だと思っていました。」
由香里は頭の中を整理しながら続ける。
「でも、キスされて……違ったんです。他の人の顔が頭に浮かんで……。ごめんなさい。」
由香里は木崎にキスをされて初めて自分の気持ちがどこにあるのかが分かった。
「誰ですか?と、聞いてもいいですか?」
木崎は落ち着きを取り戻して由香里に聞いた。
「会社の……同僚です。仕事を一緒にやったのはつい最近ですが、今好きなのは彼なんです。」
『会社の社長です』などとは恥ずかしくて言えず由香里は少し嘘をついた。
気持ちが整理できたからと言って相手が西園寺では告白が出来るわけでもないのだが、それでも木崎との関係をこのまま続けるのは嫌った。
木崎にも失礼だ。
「本当に、ごめんなさい。」
由香里はもう一度、頭を下げた。
「……頭を上げてください。帰りましょう。」
木崎は、何事もなかったかのように由香里に手を差し出した。
甘い痺れとともに、心に小さな罪悪感が生まれる。
由香里は知らず、泣き出していた。
「ど、どうかしましたか?」
突然涙を流し始めた由香里を前に木崎は普段の余裕の表情を崩して慌てている。
「ご、ごめんなさい。」
由香里は涙を手で拭うと木崎にぺこりと頭を下げた。
「私、好きな人がいるんです。……つい今まではそれが先生だと思っていました。」
由香里は頭の中を整理しながら続ける。
「でも、キスされて……違ったんです。他の人の顔が頭に浮かんで……。ごめんなさい。」
由香里は木崎にキスをされて初めて自分の気持ちがどこにあるのかが分かった。
「誰ですか?と、聞いてもいいですか?」
木崎は落ち着きを取り戻して由香里に聞いた。
「会社の……同僚です。仕事を一緒にやったのはつい最近ですが、今好きなのは彼なんです。」
『会社の社長です』などとは恥ずかしくて言えず由香里は少し嘘をついた。
気持ちが整理できたからと言って相手が西園寺では告白が出来るわけでもないのだが、それでも木崎との関係をこのまま続けるのは嫌った。
木崎にも失礼だ。
「本当に、ごめんなさい。」
由香里はもう一度、頭を下げた。
「……頭を上げてください。帰りましょう。」
木崎は、何事もなかったかのように由香里に手を差し出した。