大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
社長室の応接ソファーに座らされ鈴木が濡らしてきたタオルで目元を冷やしていく。

ひんやりと冷たい感触が涙で腫れたまぶたに気持ちがよい。

コトンと由香里の目の前に湯気を立てた緑茶の入った湯のみが置かれた。

「こういうときは緑茶が良いんだ。」

鈴木も自分の分の湯のみを持って座る。

「ありがとうございます。」

由香里は素直にお礼を言ってお茶をすすった。

体の中に暖かい液体が入ってくるのが分かる。

由香里の体から一気に力が抜けた。

代わりにまた、視界がぼやけてくる。

「ああぁぁ……泣かないで。せっかく冷やしているんだから。」

珍しく鈴木が大慌てでタオルを由香里の瞼に持っていきそっと涙を抑える。

「す、すいま……せ……ん。」

由香里はグスッと鼻まで啜ってしまう。

鈴木は仕方なく向かいに座るのをあきらめて由香里の隣へと移動してきた。
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