大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
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ゆっくりと話を終えるころにはすっかり由香里の涙も止まり、瞼の腫れもかなり治ってきていた。
「その歯科医院って……もしかして上里駅前の木崎医院?」
「はい。そうですけど……。」
話の都合上、木崎の事も言わないわけにはいかず由香里は名前を伏せて話しをしていたのだ。
由香里の返事を聞いた鈴木は何故か全てが分かったような顔をしている。
「で、由香里ちゃんはその人に同僚が好きだからって言って、さよならした?」
「はい。」
「今、好きなのは?」
「……西園寺社長……です。」
由香里は恥ずかしくて下を向いてしまった。
思えば、口に出して自分の気持ちを言ったのは初めてだった。
音に出して言ってみると、凄く実感が湧いてくる。