いろんなタイプの短編集



あたしは気づいた時から


ずっと一緒だった遼が好きだった




・・・でも、そんなこと絶対口には出せない




だって遼には彼女がいるから


そしてあたしにも、彼氏がいる




遼の彼女はあたしの親友


あたしの親友が告白して、2人は付き合うことになった




その後、あたしにもカレシが出来て・・・





だから『遼が好き』なんて言っちゃいけない事なんだよ


それなのに



気を緩めたら口から出てしまいそうなくらい

積み重なったこの気持ちに

どう手を付けていいか分かんない




「・・・さむ」


つい出てしまった言葉に


遼がちらっとこっちを見て

『あたりまえだろ』って少し笑った



遼「今、冬なんだかんな(笑)」

「分かってるし・・・」




強がってかわいくないことばっかり言うあたしは


遼の彼女とは正反対




赤くなった頬をマフラーに埋めると

ちょっと楽になった




寒くてこすってたあたしの右手を


遼がひょい・・・って掴んで自分のポッケに入れた




「・・・っなに!?」

遼「寒いんだろ?」




平然とこんなことする遼は

女ったらしなのかもしんない








遼とあたしが両想い・・・


なんて自惚れたりなんかしないけど

誤解されたって仕方ないんだから




どう考えたって、この状況はおかしい



それでも『やめて』って言えないのは

心のどっかで『やめてほしくない』って思ってるから






・・・ねぇ、遼


今の関係、辛くなってきちゃったよ






いつか・・・


この気持ちを伝えられる日が来るのかな




君に『好き』って



言える日が来るのかな










・・・・・・好きだよ?





ズルいあたしを


遼は笑うかな?





けど、今は





もう少しこのままで・・・








         *END*


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