恋のキューピット
*姉side

意外だった

彼の口からあんな言葉が出ようとは…


よっぽど結衣のことが好きなのか



「高橋くんってもっと肉食系かと思ってた」

「? 」

「全然違うのね。ただのヘタレじゃん」

「ムッどうせ 俺はただのヘタレですよっ!!」


「ごめん、ごめん。怒んないでよ。」


ヘタレなんだけど
あんなに結衣を想ってくれる
なんて―

私にはそれが羨ましくなったりするのよ。





グランドについた。

「あれが矢神です。」

彼が指差す先には―
金髪の男子がサッカーボールを蹴っていた。



「じゃあ、俺はこれで失礼しますね。あなたと話してると周りに変な目で見られるんで」

「は!?それどういう…」

「いや、自分が幽霊なの忘れたんすか?」



そうだ。

私は死んでるんだ


彼らと話したり、笑いあったりもうできない



それが少し切なくて―



「高橋くん、結衣 そういうジャージ好きだよ」

彼が着ている青のジャージを
指差す。


「なっ//俺もう 行きますから」


彼は照れて男子たちの方に走って行ってしまった。



フッ
可愛いなぁ



「頑張れ。」

走る少年の背中にそうエールを贈った。
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