恋のキューピット



「ねぇー、男子の応援 本当に行かなくていいの? 」


「うんいいよ。なんか疲れてそれどころじゃないし。」


あたしは、流れる汗をタオルで拭きながら言う。





私たちのクラスは一勝一敗という結果だった。

自分で言うのもなんだけど、結構頑張ったと思う。

午後から、3.4位決定戦がある。



「でも、矢神くんは…?」


「午後のやつ を応援しに行くよ。」


「そっかぁ。」


りさが何か心配に訪ねてくるので不思議に思う。


そんなに矢神くんが気になるのだろうか?


午後応援しに行くんだから別にいいんじゃないのかなぁ。













きゃーっ!!



あたしがりさと体育館の隅の方で、他クラスのバレーを観ているとき―



女子たちの歓声が聴こえてきた




「真由ちゃん、なんかあった?」

歓声が聴こえた方向から来たクラスメイトに、りさが聞いた。


「さっきヤバかったよ!サッカーうちのクラスが試合してたけど。高橋がさぁ、3.4点ぐらい連続でゴールに入れたんよ。女子がきゃあきゃあ騒いでた。」



高橋 と言われたとき、何故だかどきりとした。


そういえば 高橋、サッカー部だったなぁ。

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