恋のキューピット
「そういう知香も気になってんじゃないの?」


真由が知香ちゃんにふってきた


「あたしは、別に…。あっそういえば、今日矢神っち調子わるかったよねぇ。」


矢神くんが…?


「ああ、うん だよね。矢神もサッカー部だから色々魅せてくれると思ったのに~!!
あんま応援しにくかったよぉ。」


矢神くん…


朝はあんなに元気だったのに。

どうしちゃったんだろう。




「ちょっとごめん。トイレ。
結衣っ!」


突然りさがあたしの袖を強引に引っ張って外に出ようとする。

「えっ ちょっりさ!?」



りさに連れてこられたのは
トイレではなかった。


体育館外の隅。

一目のつかない場所。


「りさ?トイレじゃ…」


「はぁ…。やっぱり無理やりにでも結衣を応援に行かせるべきだったよ。」





「矢神、調子悪かったって。なんでだと思う?」


「えっ?お腹が痛くなったとか…?」



「違うよっ!!矢神は結衣に応援してもらいたかったのに、あんたが行かなかったから…」


あたしのせい…?


「ね?昼からは応援しに行くよ」

「…はい。」




矢神くんが何のつもりであたしに応援してもらいたいのか分からないけど。



あたしのせいで矢神くんのサッカーへのやる気がなくなるのだったら、

とても申し訳ないことをしたと思う。



後で矢神くんに謝ろう。
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