七つの椅子

「法則……。調べてみよっか」

エレナは急に立ち上がると、バタバタと二階からノートパソコンを持って戻って来た。

「調べるって……?」

ノートパソコンを起動させ、カタカタとキーボードを叩くエレナに聞いてみる。

「今まで気を感じた場所に印を付けてみる。竜治の言う通り法則が見つかるかも。……何で今まで気付かなかったんだろ。竜治ももっと早く言ってよ」

マウスを動かしカチカチと画面上の地図に赤い丸印を付けてゆく。

「ただの思い付きだし。2日以内に所有権を放棄して椅子は必要とされる場所に消えるんだろ?法則なんて……」

俺の意見を右耳から左耳へ受け流し、エレナは記憶を頼りに右手でマウスを動かす。

「……あれ?」

エレナは手を止め、細く整った眉の間にシワを作った。

「どした?」

エレナの見つめる画面を横から覗き込む。

「おぉ……。ビンゴか……?」

画面上の地図には一ヶ所だけ赤い丸印が数回重なっている場所がある。

その他の赤い丸印はバラバラに散っていた。

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