七つの椅子
一ヶ所を中心にしている訳でもないし、バラバラに散っている赤い丸印が等間隔という訳でも無い。
「あぁ~なるほど」
エレナは俺にドヤ顔を向けた。
「きっと椅子の力を使った後に、この一ヶ所に戻してる……もしくは戻っている。だから一ヶ所以外はバラバラなんだわ」
「じゃぁ赤印が重なるココに移動した時が椅子の回収時なんだな」
希望が見えてきた。
待ってろ和華菜、もう少しの辛抱だからな。
「今はココに椅子があるわ」
エレナは赤い丸印が重なる場所より、少し離れた赤い丸印を指差した。
「明日もその場所にあるなら、明後日、印の集う所に向かおう」
「どんな所かしら」
エレナは楽しみなのだろう。
手掛かりが見つかって、表情が柔らかくなっている。
でも殺の椅子が何度も訪れている場所だ。
決して良い所では無いだろう。