七つの椅子
エレナは赤ワイン色のワイシャツを手に取った。
「……あ、ここにあったのか」
以前、和華菜が似合うからと言って誕生日にプレゼントしてくれた物だ。
それを着ると和華菜は『いつもと雰囲気違ってカッコイイ』と言ってくれた。
「あ、ループタイもあるじゃん」
エレナが手にしているループタイも同じ様に和華菜がプレゼントしてくれた物。
多分ここにあるオシャレな物は和華菜からのプレゼントだったり、意見を聞いて購入した物ばかりだ。
「センス良いのばっか持ってるのに何で着ないの?もったいないなぁ」
エレナのセレクトした服に着替える。
「いつもと雰囲気違ってカッコイイよ」
同じ事……言うなよ。
判らなくなるだろ……。
「さぁ、行くわよ」
エレナのコーディネートで格好良くなった俺は、エレナに引っ張られて家を出た。
「はい、これ」