七つの椅子

歩きながらエレナは、どこにあったのかメガネを差し出した。

「黒縁メガネ……」

受け取り、慣れないメガネを掛けてみる。

「普段掛けないからなぁ……どう?」

エレナに顔を向ける。

エレナは口に手を当て、瞬きを繰り返す。

「似合わねぇのかよ」

苦笑いを浮かべメガネを外そうとしたら、ガシッと手首を掴まれた。

「おい、何すんだよ」

「……ヤバい。ちょーカッコイイ!」

「……は?」

「想像以上に格好良くてビックリ……」

エレナは頬を赤らめている。

……可愛いな。

そんな顔するなら、たまにはメガネもありだな。

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