七つの椅子
「違うわよ」
取っ手に手を伸ばす手を止めると、エレナは男用トイレの扉を開けた。
「より自然に地下へ行く為か。……にしても、もう少し扉開けるの躊躇してくれよ」
エレナの後に続き、トイレに入る。
中は個室が2つと清掃用具の入ったロッカーのみ。
「今度はどれ?」
「こっち」
エレナは迷い無く清掃用具の扉を開けた。
「おぉ……すげーな」
ひんやりと冷たい空気が頬を撫でる。
清掃用具なんて名だけで、扉を開けると地下に繋がる階段が下に伸びていた。