七つの椅子
「顔を隠すんだったら何だっていいんじゃない?早く決めて先に進みましょう」
「じゃぁエレナは……そのピンクの髪した魔女っ子な」
「嫌よ!!」
……何でも良くねーじゃん。
エレナは目の部分だけの仮面を手に取った。
「どうせなら顔全部隠せよ」
俺は不気味に笑う左右で色の違う、顔が全部隠れる白黒の仮面を手にする。
「他の人も使ってるかもしれないんだから、汚いじゃない」
気にしていなかったのに指摘されてしまうと気持ち悪く感じて、手に取った仮面を元の位置に戻した。
俺は口元が割れて、目が泣いている仮面に変えた。
互いに仮面を装着したのを確認してから、次の扉を開けた。
その先には更に地下へと伸びる螺旋階段が現れた。
レンガの壁の窪みに幾つも置かれたロウソクが地下へと誘う。
段を踏み外さないよう、ゆっくりと螺旋階段を下りる。
曲がりが急な螺旋階段を下り切ると、細く長い廊下が俺達を出迎えた。
突き当りには大きな金属製の二枚扉。