七つの椅子

仮面の奥を緑色に光らせたエレナが囁いた。

残り40秒。

「寿かっ!」

人物が分かった俺は少し大きめの金額を入力した。

すると最高金額の数字が止まった。

「清太が手を止めたわ」

エレナがニヤリと笑った。

「さぁ残り30秒です」

今まで黙っていた司会者の老爺が口を開いた。

残り時間が“00:30”で止まる。

「只今の最高金額を出したのは彼です!!」

老爺が俺を指差し、俺の足元のライトが強く光り出した。

「このままでは“呪われた椅子”は彼の物になってしまいますよ?」

老爺は後ろを振り向き、寿を挑発した。

薄暗い会場には俺と寿、司会者と椅子が光に照らされ浮かび上がる。

「ウィナーになるのはどちらか……。時間は残り30秒です!!」

再びカウントがスタートした。


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