七つの椅子
「清太は貴方の正体に気付いてないわ」
残り25秒。
「私は彼に投資します!」
誰かが叫び、その人物の足元のライトが光る。
暗闇に浮かび上がったのは店に居たオシャレな若い男だった。
司会者はアッサリと若い男の申し出を了解した。
すると最高金額が一気に跳ね上がった。
「なにッ!?」
残り時間が少ないのにっ!!
「清太は邪の椅子の力で若い男を操ってる。そっちが汚い手使うならこっちだって」
エレナは能力の椅子の力を使い、味方を作る。
俺も、より大きな金を投資してもらう為に金の椅子の力を使う。
「ワシは彼に投資しよう」
「我々も彼に」
魔女っ子のお面を付けた男とネット会社の夫婦が俺達の味方になってくれた。
「くそっ」
仮面で表情は見えないが、寿が拳を強く握り締めるのが見えた。
残り5秒。
俺は投資分と自分の金を合わせた最大の金額を打ち込む。
ピーッと何処からかホイッスルが鳴り、ノートパソコンの画面が真っ暗になり動かなくなった。
「時間切れです。さぁ……ウィナーになったのは……」