七つの椅子
「払えないのなら、彼を新たなウィナーとします!」
老爺は俺を指差した。
これで……これで俺の命は助かり和華菜を助ける事が出来る。
落札金額は俺が最後に打ち込んだ金額となった。
「エレナ……金額を変えたのか?」
隣に座るエレナを見下ろす。
「ちょっと桁を増やしてあげただけよ」
もう肩で息はしていなかったが、声は疲れて弱っていた。
「ありがとな」
俺はエレナに命を救われた。
「新たなウィナー。此方に来て呪われた椅子と契約を交わして下さい」
俺は言われた通り階段を下りて、殺の椅子の元へ行く。
「くそっ!!」
寿は階段を駆け上がり会場を去って行った。
擦れ違った時に肩がぶつかったが、そんな事気にしなかった。
俺は椅子に座り契約の為の犠牲者を探す。
さぁ……誰にするか。