七つの椅子

「ぅぁぁああああっ!!」

俺は両手で持った椅子を力任せに振り下ろした。

口から血を吐いた寿の顔面に当たった。

ぐちゃっ……

ゴリッ……

顔面の肉が削げる音と木製の邪の椅子が頭蓋骨に当たった音が、同時に俺の耳を刺激した。

ブルッと体に鳥肌が立った。

快感にもよく似たその刺激に俺は支配され、椅子を振り上げては思いっきり振り下ろし続けた。

ぐちゃ……ぐちゃ……べちゃ……

ゴン……ゴッ……ガン……ゴリッ……

「ァハハハハハハ……死ね死ね、死ねっ!!……クハハハハ……ハハ……糞が……」

振り下ろされ続けた椅子は、四本あった足は折れて二本が飛び、背凭れはグラグラになってきた。

それでも俺は“寿だった”忌々しい肉に椅子を叩きつけた。

顔面の皮膚がズタズタに引き裂かれ、血が溢れ出し、肉が抉れている。

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