七つの椅子
でも結婚前提の彼女の存在を知り、ショックだった。
こんな素敵な人に彼女がいるのは当たり前だと冷静に納得した自分も居たが、それ以上に竜治を手に入れてしまいたいと強く思う自分が居た。
また会えないか、そう思う日々が続き気付けば彼等の破局を望んでいた。
そんな時、私の元に現れたのが“邪の椅子”だった。
私は竜治からの本当の愛を手に入れる為に、能力の椅子・美の椅子・性の椅子・金の椅子を集めた。
そして私の計画が始まった。
まず、清太に“能力の椅子”を“邪の椅子”だと嘘を点いて所有者にさせ、私が清太を操って竜治をクビにした。
それから清太と別れ、私の力で和華菜を操り清太と付き合わせた。
“部下の元カノ”では付き合ってもらえないと思い、食事に行った時の記憶を消した。
竜治の家に“金の椅子”を忍ばせ、所有者にして『永遠の命が欲しいから』という嘘を吐いて一緒に居られるキッカケを作った。
恋人になるのはもっと先の予定だったが、勘違いしていた竜治と少し強引に付き合う事にした。
でも目的は竜治からの本当の愛を手に入れる事だったので、恋人として共に過ごしていても私の計画は続いていた。
目的がすぐに果たせなくても、計画は順調に進んでいた。
和華菜が死んだのも計画の内。