七つの椅子
「私の事気に入った?」
しまったぁぁぁぁぁああああ!!!
考え過ぎて、やはり気づかれてしまった。
穴があったら全力で入りたい。
図星を突かれた俺は瞬きを繰り返しながらエレナを見つめた。
「付き合いましょう?貴方ってかっこいいし、結構好みのタイプなのよね」
…遊ばれている気がした。
俺はしばらく車内に視線を彷徨わせた。
バックミラー越しに微笑む運転手の初老と視線がぶつかった。
「ねぇ、返事は?私、告白したんですけど」
エレナは不満顔で視線の定まらない俺の顔を覗き込んだ。
「よ、よろしく…」
なんて…そんな事があって俺達は恋人としても、この家で暮らしている。