七つの椅子
「頭でも打ったの?あれは本棚だよ」
馬鹿にして鼻で笑う寿。
「隠し扉になってるのね。私にはお見通しよ」
エレナは馬鹿にした寿に、鼻で笑い返す。
「君は超能力者にでもなったの?」
苦笑いを浮かべているが、口調は相変わらず馬鹿にしている。
自分以外は無脳だとでも思っているのだろうか。
「そうね。私も清太と同じ様に椅子のお陰で力を手に入れたの」
口角を上げて寿を見下す視線を送る。
「……いったい幾つあるんだ?」
椅子の所有者ではないと否定しなかった寿は、他の椅子の存在を知らないようだ。
和華菜の顎から手を放し、知らない情報に眉を寄せた寿は馬鹿にした口調を止めた。
「全部で七つ。私たちはそれを集めてるの。清太の所有している椅子はオールマイティに近い椅子よ」