七つの椅子

ギィィと扉が軋む音が広い教会に響く。

「おかしいわ…気が大きすぎて教会の何処にあるか特定出来ない。……もしかしたら今、椅子の力が使われてるのかも」

エレナは顎に手を添える。

ピッカピカの床が俺達を逆さまに映し出す。

下着が見えないかとエレナの足元に集中したが、淡く映し出されたワンピースの奥は見えなかった。

「いてっ…」

エレナにチョップされた。

「何考えてんのよ、この変態」

攻撃を受けた頭を摩りながら隣に立つエレナを見ると、緑色の冷ややかな目で見られていた。

「コレは男の本能だ。仕方ない」

「開き直るな!」

そうは言っても…俺は健全な男な訳で、見えそうなら頑張って見ようとするのが俺であって…。

でも本当に見えちゃうのは好ましくない。

「と、とにかく椅子を探そう!!」

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