七つの椅子
老人と同じ様にマリア像に手を合わせるシスターを見つけた。
だが、それは本来有り得ない場所にシスターは居た。
「な、なぁ俺達は夢の中に居るのか……?」
「き、きっとそうよ。まだ日本に居てダブルベッドで寝てるのよ…」
俺とエレナは瞬きを繰り返しながら、お互いの顔を見つめる。
「確認しよう」
「そうね……」
お互いの頬をつねる。
「痛いね…」
「…だな」
俺達は夢を見ている訳ではないようだ。
だがこれが現実だとしても、信じがたい。
「宙に…」
「浮いてる…」
マリア像に手を合わせるシスターは運の椅子に座りながら、俺達の頭上に浮いていた。