七つの椅子

エレナは深呼吸をして意識を集中させる。

目を瞑り椅子と契約を結ぶ。

エレナが瞼を上げると、その下から青く輝く瞳が現れた。

「契約出来たみたいだな」

「竜治の総合運を上げといたわよ」

冗談の様に笑ったが、最初の願いは俺の為に使われ、無事契約を完了させたようだ。

「あれ……?何で浮かないの??」

元の茶色の瞳に戻ったエレナが不満を漏らす。

「シスターの力と椅子の力が反応し合ってたから…とか?」

よく分からないが、エレナで椅子が浮く事はなかった。

「私も浮きたかったんだけどなぁ……」

子供の様に口を尖らせ拗ねるエレナは立ち上がった。

すると契約を交わしたばかりの運の椅子が突然消え失せた。

「えっ!?ちょ、契約したじゃん!!何で消えんの!?」

俺は目の前で消えた椅子に驚きを隠せない。

「ちょっと落ち着いて。椅子は私達の家に移動したのよ」
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