七つの椅子
ウイルスだとしたら肉体主を殺し自らも死んでいる事になる。
“自爆ウイルス”とでも言っておこう。
ただ俺の持っている情報からすると、この偉人達の連続死の裏には“殺の椅子”が隠れている気がしてならない。
読んでいた新聞を閉じて適当にテーブルの上に投げる。
PiPiPiPiPiPi……
湯気の立つコーヒーが入ったマグカップに手を伸ばすと隣に置かれていたケータイがバイヴの振動と共に鳴った。
ディスプレイには登録されていない番号が映し出されていた。
「……もしもし」
無視しようかと思ったが、上で寝ているエレナが起きてしまうと思い直し、電話に出ることにした。
「もしもし?」
返事がないので切ろうと耳からケータイを離すと遠くなったスピーカーから声が聞こえた。
『……竜治』
「っ!?わ、和華菜!?」
予想外の人物の声に離したケータイを慌てて耳に押し付けた。