シーソーが揺れてる
「これなんだけど」
1枚のビラを手に戻ってきた広美はそれを春香の前にひらりと落とした。
「メイド居酒屋」
とそこにはピンク色の文字で大きく書かれていた。
「何、これ」
「読んで字のごとくよ。メイドキッサの居酒屋版ってこと」
「メイドキッサの居酒屋?」
残念ながら春香の抱いた嫌な予感は見事的中してしまった。
「先週の帰りに駅前歩いてたらたまたま貰っちゃって」
「だれから?」
「道ばたに立ってたメイド服着た女の人」
「客寄せに会ったってわけね」
春香は呆れ気みに言った。
そんな春香の耳に、
「春ちゃんこれやりなよ」
と言う広美の声が聞こえた。
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