シーソーが揺れてる

「おい今日は西山が居ないのかー?」
月曜日の公園。かれこれ10分はベンチに座っている直人は、12時半を回った時計を見て言った。
「たまには男二人ってのもいいじゃないですか」
その横に座る良太が励ますように直人に言った。
「まあな」
夏が始まったばかりの昼間の公園は、普段にも増して太陽がさんさんと照っていた。そのおかげでベンチに座る二人の首や背中には高熱がじりじりと降り注いでいる。
「それにしても、暑いですねえ」
いつものように缶コーヒーを飲む直人に良太は話しかけた。
「そんな今から暑いなんて言ってたら真夏が越せないぞ」
「そうですね」
良太の返事を聞き終えると、直人は再び缶コーヒーを飲み始めた。特にこれと言ってすることのない良太は暇潰しにと自分の右側の空白のベンチに目をやった。いつもならそこには春香が座っているはずなのだが・・・。
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