シーソーが揺れてる
ふと、ポケットの中の携帯がなった。何も思うことなく春香はポケットから携帯を出すとメールを開いた。
メールマガジンだった。
「はー、これか」
けだるそうに呟くと、春香は携帯を閉じてテーブルの上にごとりと落とした。
その荒々しいプラスティっク音で気がついた。
自分は今のメールに何を期待していたんだろう?期待することや物など一つも無いはずなのに・・・。
「彼から?」
どこからかそう聞く声が聞こえた、ような気がした。
「違うわ!てか彼なんか・・・」
一人呟いた瞬間、心臓の奥が突然じわじわと暑くなった。
それはだんだんと心臓からのどを伝わって鼻の先まで来て・・・。
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