シーソーが揺れてる
両目からあふれ出したそれを急いで拭うと、春香はテーブルの上に投げ出されたままの携帯を掴んだ。
時間を見ると12時45分。
「まだ間に合うかも!」
祈りを込めるように春香はメモリーからその名前を探した。
ようやく名前を見つけた瞬間、はっと気がついた。その名前に電話をかけるのは今日が初めてだ。
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