シーソーが揺れてる
だが直人はすぐに、
「まっ、あいつも心配してたしな。良太のやつ、西山が居なくて寂しそうだったぞ」
「あー、そう。なんか申し訳ないなあ」
春香は肩を落とした。
「まあ調子悪いんだったらしょうがないだろ?」
「・・・、うん」
直人の言葉に、春香の胸が急に暑くなった。なんだか今1番言ってほしかった言葉を言われたような、そんな驚きと嬉しさがこみ上げてくるようだった。
「でも、今はだいじょうぶそうかも」
胸の暑さに刈られながら春香は言葉を発した。
「そう。じゃあ明日来る?」
「ん、うん、そのつもりでいる」
ほんの少し間を置いてから春香は答えた。
「じゃあ」
「心配かけてごめんね」
そう春香が言い終わらない内に直人は電話を切ってしまった。
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