シーソーが揺れてる
直人と良太が公園に入りベンチの方に近づいて行くと、そこにぽつんと人の影があるのが分かった。その影は下を向いていて、二人が近づいて来ることには気がついていないようだった。
「西山さん」
「はっ、・・・!」
最初に声をかけたのは良太だった。その声に、影の主は驚いた様子ではっと顔を上げた。
「あっ、片山くん?」
「よっ」
おろおろした目で良太を見る春香の肩を直人はぽんと叩いた。
「あー」
その目をかっと見開いて春香は直人を見つめた。
「今日は西山さんのほうが早かったですねえ」
春香の左側に腰を下ろした良太は言った。
「うん。今日は調子がいいからいつもより早く出てきてみたの」
「そうだったんですかー」
「まっ、どうせ暇だからな」
良太と春香の前に立つ直人が口を挟んだ。
「うるさい」
春香は直人の膝を軽くぱんと叩いた。
「あっそうそう、忘れない内に・・・」
そう言って良太は作業服のポケットに手を突っ込むと、そこから小さな包みを一つ取り出した。
「西山さん」
「はっ、・・・!」
最初に声をかけたのは良太だった。その声に、影の主は驚いた様子ではっと顔を上げた。
「あっ、片山くん?」
「よっ」
おろおろした目で良太を見る春香の肩を直人はぽんと叩いた。
「あー」
その目をかっと見開いて春香は直人を見つめた。
「今日は西山さんのほうが早かったですねえ」
春香の左側に腰を下ろした良太は言った。
「うん。今日は調子がいいからいつもより早く出てきてみたの」
「そうだったんですかー」
「まっ、どうせ暇だからな」
良太と春香の前に立つ直人が口を挟んだ。
「うるさい」
春香は直人の膝を軽くぱんと叩いた。
「あっそうそう、忘れない内に・・・」
そう言って良太は作業服のポケットに手を突っ込むと、そこから小さな包みを一つ取り出した。