シーソーが揺れてる
「そっかー、西山はそういうやつが好きなのかー」
春香を見つめたまま直人は薄ら笑いを浮かべた。
「すみませんね」
「えっ、・・・!」
おっ、おい西山、おまえまさか本当に良太のこと・・・?その答えに、直人は思わず春香から目を離した。
そうとも知らず春香は続けた。
「私はオタクな女ですけど何か?」
「えー西山さんオタクだったんですか?」
意外と言うような目で良太は小声で春香に聞いた。
「えっ、いや、そこまでのオタクじゃないわよ。よく言うゆるオタってやつよ」
汗を滲ませながら春香は良太にそう弁解するしかなかった。
一方の直人は、
「おれが聞きたかったのはそっちじゃないんだけど・・・。まあいっか」
と心の中で呟いていた。
「ゆるオタですかー。なるほど」
良太は考え深げに春香を見た。
「私ったら何で何気にカミングアウトしてんだよ?」
春香の冷や汗はまだ止まっていない。
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