シーソーが揺れてる
大11章

午前7時。広美の携帯のアラームの音で春香は目を覚ました。
ベッドに寝転がったまま春香は左手を延ばして、まだ閉まっているカーテンを開けた。と同時に燃えるような太陽の日差しが飛び込んできた。どうやら外はかんかんでりに晴れているようだ。
「あっ、ごめん起こしちゃった?」
カーテンの開く音で気づいたのか、広美が春香の居るベッドまで近づいてきた。
「広美おはよう」
まだ寝ぼけた声で目を擦りながら春香はゆっくりとベッドから起き上がった。
「おはよう春ちゃん」
「今日早いんだねえ」
「昨日言ったじゃない。今日は来週から行く実習先で打ち合わせがあるって」
右手の人差し指で寝癖を撫でる春香に少し不機嫌そうな広美の声が響いた。
「あー、そういえばそうだったね」
春香は軽く咳をすると、ベッドから降りて冷蔵庫へと向かった。
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