シーソーが揺れてる
テレビのついた部屋に一人取り残された春香は「はーっ」とため息をついた。広美が出て行ってくれて安心したのか、それも少しあるが、この後のことをまだ考えていなかったことを思い出したのだ。
「公園に行くのはいいけど、そんな早くに行って何するんだろう?」
二日ほど前の直人から届いたメールによると、
待ち合わせの時間は例の公園に11時。いつもより1時間半も早い時間だ。
「あーっ!」
直人のメールを思い返した春香は、重要なことを思い出してしまった。
「楽しみだなあ。西山の手作り弁当・・・」メールの最後にはそう書かれていた。
「えーめんどくさーい。まあいいや、何か買って行こう」
そう呟くと、春香はつけっぱなしのテレビに目をやった。
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