シーソーが揺れてる
しばらくの間空に移していた目を元に戻すと、直人はまだいまいちまとまってない言葉でこう話した。
「たぶんあいつ学校卒業したら地元に帰るんじゃないかって思う。ほら、あいつ4兄弟の長男だろ?」
「えっそうなの?」
「あー。それに父親が居ない中一家を支えていかないといけないだろうから、就職先も地元で探すんじゃないの?まあおれはよく分かんねえけど」
「そうだったんだー・・・」
春香は今まで良太の生い立ちや私生活をあまり知らなかった。
その時ふと、初めて良太と会った日のことを思い出した。自分のこれまでを話した時、良太はものすごく感銘を受けていた。「なぜだろう?」っとその時は思っていたけど、直人の話を聞いた今、その意味が少し分かったような気がする。
「おい今何時だ?」
ざらついた直人の声で春香は我に返った。そして、さきほどと同じようにポケットから携帯を取り出して時間を見る。
「11時32分」
気だるそうに春香は答えると、やはりさきほどと同じように携帯を閉じてそれをポケットにしまった。
「たぶんあいつ学校卒業したら地元に帰るんじゃないかって思う。ほら、あいつ4兄弟の長男だろ?」
「えっそうなの?」
「あー。それに父親が居ない中一家を支えていかないといけないだろうから、就職先も地元で探すんじゃないの?まあおれはよく分かんねえけど」
「そうだったんだー・・・」
春香は今まで良太の生い立ちや私生活をあまり知らなかった。
その時ふと、初めて良太と会った日のことを思い出した。自分のこれまでを話した時、良太はものすごく感銘を受けていた。「なぜだろう?」っとその時は思っていたけど、直人の話を聞いた今、その意味が少し分かったような気がする。
「おい今何時だ?」
ざらついた直人の声で春香は我に返った。そして、さきほどと同じようにポケットから携帯を取り出して時間を見る。
「11時32分」
気だるそうに春香は答えると、やはりさきほどと同じように携帯を閉じてそれをポケットにしまった。