シーソーが揺れてる
「おっ、もうお昼かー」
その音に混じって直人の呟く声がした。
「ちょっとだけお腹空いたかも」
サイレンがフェイドアウトし始めると春香は言った。
「よし、このまま降りるぞー!」
「だから危ないから辞めなさい」
滑り台の斜面に着けていた背中を勢いよく前に突き出そうとしていた直人を春香は制止しようとした。
だがその効果は空しく、直人の体は寝そべったまま急な斜面を緩やかに滑り落ちていた。
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