シーソーが揺れてる
「えーだめなの?かわいそうに」
「いやだめじゃないけどさあ・・・」
直人はふと先日の良太とのやり取りを思い出した。「じゃあこんどは良太とデートしてやってくれ」
「えー、・・・?まあ、片山くんがいいって言うなら」
直人の提案に何て答えたらいいのか分からずにいた春香は、それでも苦し紛れにそう言った。
「分かった」
「えっ、ほんとにやるつもり?」
「だめかー?」
「いやべつにいいけど・・・」
春香は目の前に居る直人をじっと見つめた。
「顔色、よくなったんじゃない?」
「うん。だいぶ楽になった」
「そう。よかった」
春香は再びシーソーからぴょんと地面に降りた。
それを追うように直人もシーソーを降りた。
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