シーソーが揺れてる
「今そういうの興味無い」
「えっ?」
直人は考え込むような素振りを見せた。だがすぐに、
「あっそうか、もう男が居るのかー」
「そうなんだよー、って言いたいとこなんだけど、・・・」
「居ないの?」
「少し前に別れた」
春香は大学中退を決意する直前まで同じ科の先輩と交際していたのだ。
「それはそれは、ご愁傷様でした」
「おい失礼なこと言うな」
そう言いながら春香は直人の肩をこづいた。
「まっそう言わずに1度会ってみてやってよ。どうせ今男居ないんだったらべつに・・・」
「そう言う問題じゃねえよ!」
「え?」
沈黙が走った。
遠くで鳩が泣く声が聞こえた。
あの鳴き声は満足してる時の声なんだよなあ。仕事仲間がそう言ってたのを直人はふと思い出していた。
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