シーソーが揺れてる

それから二日後の正午過ぎのこと。かんかんデリの日差しを背に纏ながら良太は一人公園のベンチに座っていた。
いつもなら直人と並んで座りたわいのない話をしたり、辺りの景色を見たりしているので全く気がつかなかった。一人ぼっちの公園は、とても静かなんだなあと言うことを・・・。
それと同時に、自分が一緒についてくるようになるまでの間、直人はこんな静かな所で一人で何をしていたのだろうか。いったい何のために。
もしかして何か考え事や悩み事でもあったのだろうか。
と、直人のことがちょっと心配になった。
「まさか、あの杉浦先輩に限ってそんなこと・・・」
軽く笑ってみた良太だったが、すぐに本来の目的に頭が切り替わってしまった。ゆっくりとした足取りで、西山春香がこちらの方に近づいてくるのが見えた。
「あれー?今日は珍しいのねえ」
やっとたどり着いた目の前のベンチを見て、春香は声を上げた。
「あー、そうですねえ」
どことなくぎこちないような様子で良太は春香を見下ろす。
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