シーソーが揺れてる
「どうって?」
「そのー、好きとか、嫌いとか・・・」
「べつに嫌いじゃないけど・・・。何?もしかして直人に何か言われたの?だいじょうぶよ。あいつの言うことは本気にしなくても・・・」
「いえ、僕のことではないんです」
「えっ?」
「西山さんが杉浦先輩のことをどう思ってるのかを聞きたいんです」
良太のしっかりとした目が春香を捕らえている。
それから逃げるように春香は辺りに目をやった。
「あっ!」
その目に飛び込んできた物に、春香はあることを思い出してしまった。
胸が暑くなるのが分かった。
「おれ忘れてたよ。シーソーって一人じゃ漕げないってことだよ」
頭の中で、あの日の直人の台詞が再生される。
今春香の目の前にあるシーソーは、一瞬たりとも揺れ動くことなく地に足をつけてどっしりと立っている。それは直人一人の力ではすぐにバランスを崩してしまい動かすことができなかった。しかし、春香が加わったことで風を切るように心地いいテンポでその物体は動き始めたのだ。
もしかして、直人はそういうような存在を探していたのでは・・・?
春香はのどの奥で大きく息を吸った。
「好きなのかもしれない」
小さくか細い声ではあったが春香は言い切った。
「そのー、好きとか、嫌いとか・・・」
「べつに嫌いじゃないけど・・・。何?もしかして直人に何か言われたの?だいじょうぶよ。あいつの言うことは本気にしなくても・・・」
「いえ、僕のことではないんです」
「えっ?」
「西山さんが杉浦先輩のことをどう思ってるのかを聞きたいんです」
良太のしっかりとした目が春香を捕らえている。
それから逃げるように春香は辺りに目をやった。
「あっ!」
その目に飛び込んできた物に、春香はあることを思い出してしまった。
胸が暑くなるのが分かった。
「おれ忘れてたよ。シーソーって一人じゃ漕げないってことだよ」
頭の中で、あの日の直人の台詞が再生される。
今春香の目の前にあるシーソーは、一瞬たりとも揺れ動くことなく地に足をつけてどっしりと立っている。それは直人一人の力ではすぐにバランスを崩してしまい動かすことができなかった。しかし、春香が加わったことで風を切るように心地いいテンポでその物体は動き始めたのだ。
もしかして、直人はそういうような存在を探していたのでは・・・?
春香はのどの奥で大きく息を吸った。
「好きなのかもしれない」
小さくか細い声ではあったが春香は言い切った。