シーソーが揺れてる
二人は向かい合ってシーソーに座ると、最初に漕ぎ出したのは春香だった。良太は戸惑っているようにその場から動かずにじっと座っている。
そのせいか、シーソーはすぐにバランスを崩して止まってしまった。
「あれ?もしかして片山くん、シーソー乗ったことないの?」
「いえ乗ったことはあるんですけど、シーソーなんて幼稚園以来久しぶりなんでどう楽しめばいいのか分からなくて・・・」
「そんなの、足を踏ん張って体を揺らせばいいだけのことじゃない」
「そっ、そうですよね」
まだほんの少し躊躇は残るものの、良太は春香の言うように両足に力を入れて体を揺すってみる。
すると、少し耳障りな金属音をたてながらシーソーは中を蹴って動き始めた。
「あっそうですそうです。思い出しました」
「でしょう?」
嬉しそうに歓声を上げる良太に、春香は満面の笑みを浮かべて見せた。
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