シーソーが揺れてる
「はーあ、これだから男って・・・」
沈黙を裂いたのは春香のため息混じりの声だった。
「なに?」
「何でもない」
「おれも女はよく分からん」
「分からなくてけっこう」
「何だよそれ」
再び沈黙が流れた。
「明日来る?」
ベンチから立ち上がりかけた直人はぼそっと春香に尋ねた。
「うーんどうしよっかなあ」
「暇なんでしょ?」
「暇じゃねえよ・・・」
春香の最後の3文字はとても弱々しい物だった。
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