シーソーが揺れてる
祖父が無くなったことはもちろんショックだったが、春香はそれよりも自分が1番最後に見た祖父の姿のほうがもっと辛かった。
点滴やら酸素マスクやら何だかわけの分からないチューブやらでベッドに縛り付けられている祖父、朦朧とした意識の中昇天の会わないとろんとした目でどうにか自分を見つめていた祖父・・・。
そのどれもが今まで見たことの無かった姿だったから・・・。
そんなことを思い出している内に、自分の目頭が暑くなるのを感じた。それを押し止めるように、春香は目の前の草花に視線を投げた。
ふと、昔図鑑か何かで見た覚えのある小さな花びらを持つ花に目が止まった。しかし名前は出てこなかった。
「あっ、これー!」
と、春香は再びその花を見つめた。
そう言えばこの花ーよく行く公園にも咲いていたような・・・。だがどうしても名前が思い出せない。
まあいいや、明日直人に聞いてみよう。春香がそう思った時だ。
「きゃっ!」
とっさに息を飲み、春香は花の前から逃げるように遠のいた。大きな葉っぱの影からアシナガバチが姿を表したのだ。
点滴やら酸素マスクやら何だかわけの分からないチューブやらでベッドに縛り付けられている祖父、朦朧とした意識の中昇天の会わないとろんとした目でどうにか自分を見つめていた祖父・・・。
そのどれもが今まで見たことの無かった姿だったから・・・。
そんなことを思い出している内に、自分の目頭が暑くなるのを感じた。それを押し止めるように、春香は目の前の草花に視線を投げた。
ふと、昔図鑑か何かで見た覚えのある小さな花びらを持つ花に目が止まった。しかし名前は出てこなかった。
「あっ、これー!」
と、春香は再びその花を見つめた。
そう言えばこの花ーよく行く公園にも咲いていたような・・・。だがどうしても名前が思い出せない。
まあいいや、明日直人に聞いてみよう。春香がそう思った時だ。
「きゃっ!」
とっさに息を飲み、春香は花の前から逃げるように遠のいた。大きな葉っぱの影からアシナガバチが姿を表したのだ。