シーソーが揺れてる
「えっ、何これ?」
廊下の突き当たりにある自室のドアを開けた春香は目を疑った。
部屋のフロワーの上に、晃かに自分の物デハナイ鞄や、何が入っているのか分からない埃を被ったダンボール箱や、画板やコンパスなどで散乱していた。これはたぶん機械設計の仕事をしている父の持ち物だろうと春香は見た。
「あーごめーん」
とりあえず部屋に入ろうと1歩足を踏み入れた春香の後ろから母の声が聞こえた。間もなくしてスリッパをはいた母が自室にやって来た。
「しばらくは帰って来ないだろうってお父さんが使わなくなった仕事道具を置いてたの。片づけなきゃとは思ってたけど、あんたがこんな早く帰って来るとは思わなかったから・・・」
言いながら母は春香の横をすり抜けると床の上の荷物に手を延ばした。
どうやら自分の出番は無さそうだと思った春香はバッグを下げたままいったん自室を後にするとそのままリビングに向かった。
リビングはしんと静まりかえっていた。テレビでもつけようかと、春香はテーブルの上のリモコンに手を延ばした。と同時にほんの一瞬ではあるが、春香の右目が仏壇に飾られた祖父の遺影を捕らえた。
廊下の突き当たりにある自室のドアを開けた春香は目を疑った。
部屋のフロワーの上に、晃かに自分の物デハナイ鞄や、何が入っているのか分からない埃を被ったダンボール箱や、画板やコンパスなどで散乱していた。これはたぶん機械設計の仕事をしている父の持ち物だろうと春香は見た。
「あーごめーん」
とりあえず部屋に入ろうと1歩足を踏み入れた春香の後ろから母の声が聞こえた。間もなくしてスリッパをはいた母が自室にやって来た。
「しばらくは帰って来ないだろうってお父さんが使わなくなった仕事道具を置いてたの。片づけなきゃとは思ってたけど、あんたがこんな早く帰って来るとは思わなかったから・・・」
言いながら母は春香の横をすり抜けると床の上の荷物に手を延ばした。
どうやら自分の出番は無さそうだと思った春香はバッグを下げたままいったん自室を後にするとそのままリビングに向かった。
リビングはしんと静まりかえっていた。テレビでもつけようかと、春香はテーブルの上のリモコンに手を延ばした。と同時にほんの一瞬ではあるが、春香の右目が仏壇に飾られた祖父の遺影を捕らえた。