シーソーが揺れてる
小学校に入学してからも春香と祖父は仲良しで、春香はその日その日に学校であったいろんなことを祖父に話して聞かせた。
ある日同じクラスの男の子たちが歌っていた「森の熊さん」の替え歌を家で歌っていたところ母から、
「女の子が下品なお歌歌うんじゃありません」と叱られてしまった。それに対して祖父は、
「おもしろいおもしろい」
とにこやかな笑いを浮かべていた。祖父のそんな笑顔も春香は好きだった。
同じ頃、直人にランドセルを壊された時には祖父は春香よりも悲しんでいた。
その後「春香は友達から虐められているのではないか」と心配になった祖父は、学校まで行って春香の様子を見に行こうとしていたと言う話を後に聞いたことがある。
しかし小学校高学年、中学高校と年齢が上がるに連れ、春香は友達と遊ぶことが多くなり、祖父と話す時間がどんどん減っていった。それに反抗期も重なって、ついには祖父が毎日のように言う「春香お帰り」の言葉も無視するようになってしまった。
自分のことしか考えられなかった春香はそんなことはもちろん知るよしも無かったが、春香の音大入学を1番喜んでいたのは、紛れもなく祖父だったのだ。
ある日同じクラスの男の子たちが歌っていた「森の熊さん」の替え歌を家で歌っていたところ母から、
「女の子が下品なお歌歌うんじゃありません」と叱られてしまった。それに対して祖父は、
「おもしろいおもしろい」
とにこやかな笑いを浮かべていた。祖父のそんな笑顔も春香は好きだった。
同じ頃、直人にランドセルを壊された時には祖父は春香よりも悲しんでいた。
その後「春香は友達から虐められているのではないか」と心配になった祖父は、学校まで行って春香の様子を見に行こうとしていたと言う話を後に聞いたことがある。
しかし小学校高学年、中学高校と年齢が上がるに連れ、春香は友達と遊ぶことが多くなり、祖父と話す時間がどんどん減っていった。それに反抗期も重なって、ついには祖父が毎日のように言う「春香お帰り」の言葉も無視するようになってしまった。
自分のことしか考えられなかった春香はそんなことはもちろん知るよしも無かったが、春香の音大入学を1番喜んでいたのは、紛れもなく祖父だったのだ。